トワイライツ・ノーツ

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【ゲーム感想】オズの国の歩き方追加エピソード

 

以前クリアしたナイトメア・プロジェクトのゲームアプリ、オズの国の歩き方に追加エピソード&アップデートがきたというので早速プレイしてきました。

 

アップデート完了後、ゲームを開始すると、説明と共に見慣れない金色の雫マークが各チャプターに。

これが追加エピソードのマークのようです。

 

早速残っていたクリスタルを使って追加エピソードを解放し、読んできました! ……と言いたいところですが、持っているのが対応機種外であったため、最初はうまくアップデートができなかったり、それに気が付かずサポートに問い合わせてしまったり(丁寧に対応していただけました……申し訳ないことをしました……)という紆余曲折がありました。

 

最終的に、インストールし直し→最初からすべてのエピソードを読み直し、(おそらく)メモリエラーでアプリが落ちてしまうという事態を数十度繰り返しつつも、ようやく読むことができました。

 

 

という訳で、以下ネタバレゲーム感想です。

 

 

 

 

若草の魔女

クロウの出生の秘密が明らかに、の回。

東の魔女が、ドロシーの助けになるように芽吹かせた命だったようです。東の魔女は始まりの地で、ゲームスタート時点で既にお迎えが完了しており、本編中に出番はなかったのですが……なるほどなあと。

 

真綿で首を締められるような疲弊と孤独の中、何とか正気を保っていた東の魔女ですが、彼女自身も次第に澱んでいきました。

 

ただ、クロウに命を与えた時点で既に東の魔女はかなり澱みを溜めてしまっていました。クロウがちょっぴり狂気的な性格になってしまったのはそのせいかも。あと中身が黒くてうねうねしているのも、その澱みの部分が出てしまったのかも知れません。

 

誕生したてのクロウに、『金色の髪の女の子を助けてあげて』とお願いする東の魔女。

作中、その出来事についてクロウの口からは一切語られないので、彼がそれを覚えていたかどうかは定かではありませんが、しっかりドロシーを助けていたので、何にせよ結果オーライではないかと思うのです。

 

 

 

虹の鏡像

森の中で野営をする道中、一行は実に奇妙な人物と出会います。

 

それは……まさかのチェシャ猫(体)! ナイトメアプロジェクトさんの別アプリ、歪みの国のアリスのキャラクターです。

 

こ、ここでそれを繋げてくるの?と読んだ時は私も動揺したのですが、 別の追加エピソード『暁の漂流者たち』を読んでストンと落ち着きました。

それに悪夢繋がりですね。悪夢に導かれた者同士、波長が合ったのかも知れません。

 

ドロシーたちの世界、どうも『他の世界に居つけない、弾き出された者たち』がやってくるところらしく……チェシャ猫ならうっかり弾き出されてもしょうがないですね。

 

途中、なぜかドロシーに懐くチェシャ猫(体)ですが、何とかご主人様と頭の元に帰れたようです。どうもドロシーとアリスを間違えていた様子(ドロシーの顔をぺたぺた触っているところから、疑問には感じていたようですが)。

 

その際、束の間ですがドロシーとアリスが顔を合わせ――ドロシーはアリスを、アリスはドロシーを羨ましいと感じます。でも、チェシャ猫(体)が間違えていたくらい、実はお互い芯の部分で似たところがあるように思うんですよね。

 

 

アリスたちのその後も見られましたし、ナイトメア・プロジェクトからのファンサービスの側面が強いエピソード、という位置づけですね(最近小説も発売されましたし、その関連かな)。

彼らなりに幸せそうで、相変わらずで何よりでした。

 

それにしても、アリスはやっぱり美少女だったみたい(緋色のエプロンドレスが似合う女の子ってなかなか少数派です。ドロシーも金髪に空色のジャンパースカートが似合うので可愛い方だと推測していますが)。

……武村さん、面食いなんでしょうね。

おばあちゃんや康平さんたちと一緒のようで良かったです。

 

 

 

青い鳥

ジャックの追加エピソード。ドロシーが戻って以来、ジャックの過保護っぷりに拍車がかかり、独立心旺盛なドロシーはマーカスに泣きつきにいきますが――そこで意外な事実を知らされる、というお話です。

 

 

簡単なロックはかかっていても、マスターユーザーは、ジャックの意思でしか変更できないこと。

ジャックが実はそれに気が付いていて、『マスターユーザーを変更しろ』とドロシーに命令されるのではないかとおびえていること。

『機械の身体を持った人間を作る気はなかった。ロボットはロボットという生命体として、自由意思を持って欲しかった』というアッカーマンの思想。

 

 

ドロシーは、『都に行けばマスターユーザーの変更が行える』という嘘を、ジャックがついていたのか――という意味でも衝撃を受けるのですが、嘘ではない、とのことでした。マスターユーザーの変更に関してかかっていた『ロック』がキモなのですが、疑ってかかりさえすればすぐ解けるロックだそうです。

でも、ロボットにはその『疑ってかかる』というのがそもそも難しい。

 

なので、少なくとも木こり小屋時点ではジャックはその事実に自分でも気づいていなくて、反射的に『マスターユーザーの変更が容易ではないこと』のもっともらしい理由をひねり出したみたいですね。

故に、その時点で嘘はついていなかったのでしょう。

 

ドロシーはドロシーでそのことを知ってしまったことから、ジャックに『マスターユーザー不適格』の烙印を捺されることを怖く思うのですが……この2人なら大丈夫、という気がします。

 

 

あと、ジャックの嫉妬心とかも垣間見えましたね。 そういう部分は不合理ですしロボットらしく薄いかなと思っていたのですが、人間期間を経た影響でしょうか。それとも元々既にあったものでしょうか。

 

 

それにしても、メグねえさんの指導がここで効いてくるとは思ってなかった!

ドロシーでさえこうなんですから、キースにとっては、うーん、何とも……。

 

 

あと、もしジャックが人間のままだったら……恋人ポジションに収まりそうだなという感じがしました。もちろんこの世界、婚姻に種族という障壁は一切ありませんから、今でも不可能ではないですけど。ドロシー側の意識が段違いですからね。

そういう意味では、なかなかこの一行、危ういバランスですね。

 

 

 

暁の漂流者たち

世界の創生の頃の、グリンデル、オズ、エレクトラのお話。

さすがに創生の頃はオズもだいぶ若かったらしいですね。

居場所のなかった三者がたまたまこの世界に集い、特殊な力を持っていたグリンデルが、世界を支えようと決心する――その時のお話です。

 

エレクトラの秘密が明らかに、の回なのですが、彼女、ずっと輪廻転生を繰り返していたそうです。

ずっと自分は自分でしかなく、ひたすら生まれ変わりを繰り返す……自分なら絶対途中で倦み疲れてしまいそうです。実際エレクトラも少々ヤケになっているようですけど、タフです。

 

そんな3人が、小さく、不安定で、でも懐の深い世界に迷い込んだ訳ですが……これはもう必然でしょうね。

 

 

 

桜の追憶

まだ元の世界にいた頃のドロシーとオズ(トト)のお話。

さすが大魔法使い、世界を移動するのに必要な魔力は、だいぶ前に溜まっていたらしいですけど……悩みますよね。それで理由をつけて何かと伸ばし伸ばしにしていたらしいです。

 

 

オズがトトとして羞恥心、食の問題をどう感じていたのかも判明しましたし(でなければそんなに長いこと犬でいるのは無理ですよ) 、暮らしぶりも何となくわかりました。

 

 

2人で桜を見に行くのですが、オズがどちらを取ろうと、いずれドロシーとは離れ離れになってしまうことは決まっています。

 

何しろドロシーは大学受験を控えていますから……浪人でもしたら話は別でしょうけど、勉強はしていたみたいだし、言わぬが花でしょう。

その場合は、モーナとの結婚騒動ばりにオズは動揺しそうですけど。『俺がこんな決意を固めたのに、そのオチは何!?』……みたいな。それはそれでちょっと見てみたい分岐ですね。

 

 

それはさて置き、ドロシー側も、大学進学がかなった場合には無理だとわかりつつも、『来年も一緒に桜を見に行こう』と愛犬に小さな嘘をつきます。

 

お互い、その胸の内にあるのは違っても、『来年の桜を一緒に見ることはできない』ということがわかっているところが何とも切ないです。

 

 

 

眩惑の氷花

北の魔女ゲイレットとオズのお話。

オズが非常に女たらしですね……とはいえ、もっと事務的だったらそもそも現ドロシーだって誕生していない訳で、というかオズがしなくても、いつかは同じような問題が起こっていたのかも知れません。

 

 

確かに世界を支えるシステムとしては大きな欠陥があるんですよね。グリンデルがエンディング間際で言ったように、魔女に人格があるからこそ、そういうことが起こり得るのです。

 

 

が、グリンデルも――そしてオズやエレクトラも、そんな管理された世界は望んでいなかった訳で、不完全でも自由な世界を守るために尽力しています。オズが北の魔女に名前を与えたのも、その一環で、決して打算がない訳ではなかった。

 

それに、海に還った魔女たちは、再び新しい柱として各地に芽吹くのですが、以前の人格や記憶を完全に引き継いでいるのではないので、ドロシーの迎えを受け入れるというのは、実質『ゲイレット』が死を迎えるのとほぼ同義です。

 

過ちがあるとするなら、そこの部分をオズが読み間違えてしまったということでしょうか。創生の頃からドロシーたちと魔女たちを見守ってきたので、オズ自身もその辺りの感覚が麻痺していたのかも知れません。

 

 

 

遥かなる虹を越えて

ドロシーのお父さんとお母さんのお話です。

彼らはドロシーのことは忘れてしまい、20年近く子どもに恵まれなかった、ということになっています。

それが、どうも新しい命を授かったという。

(どうもオズとグリンデルにドロシーが頼んだらしいです)

 

 

うーん……みんなの記憶から自分のことを消すように、とお願いした結果ああなったのに、両親にまた同じことをするのか……とは思いました。

半分は女神の娘でしたが、エンディング後のドロシーは言ってしまえばオール『地球産』ですし、役目を終えたのだから戻るという選択肢もなくはなかった……はずです。

 

が、ドロシーには最初から『元の世界に戻る』という意識がありませんでした。初めは記憶がなかったからですが、記憶を取り戻してからは『役目を果たした後のこと』が意識に無かった。

 

それに、この場合、元の世界を選ぼうと、オズの国を選ぼうと、悲しませてしまう人はいるんですよね。

なのでそもそもが正解のない問いと言えます。

なら、どちらを選ぼうとドロシーの自由です。

 

そして両親の場合は過ごした時間も長いですし、それくらいなら前に進むためにドロシーのことは忘れて、新しい命に向き合うようにした方が良い……のかな。この辺はドロシーのわがままかも知れません。

 

 

ドロシーの両親は、もうどこか遠くに行ってしまわないようにお母さん似の男の子がいい、と願います。きっとそのようになるでしょう。時々は、いなくなってしまった娘の欠けた穴に悲しむかも知れませんけど、いつかは別の形で埋まっていくのだと思います。

 

 

 

余談

以下、ちょこちょこ思ったことを。

 

 

ドロシーの本名、『遥』と言うらしいんですが、これ、『遥か遠くに行く』と桜が咲く『春(はる)』に掛けてるのでしょうか。そう考えるとしっくりくる名前です。

そういえばグリンデルは植物を操る力があるので、オズの国にも桜が咲かせられるんじゃないかな。追加エピソードは結構桜出てきますし、いつかそういう日が来るのかも知れませんね。

 

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ドロシーがオズと共に竜巻に巻き込まれるシーン。

あれ、オズも最後の最後まで迷って、『ドロシーに決めさせよう』としたんだろうなと思いました。

 

もしもドロシーがオズを探しに来なかったら、あるいは探す場所を間違えたなら……大人しくそのままオズの国に帰り、最後の日まで世界を支えていたのかも知れません。

 

でも、ドロシーの性格なら探しに来るだろうというところまで見越しての行動でしょうから、やっぱりオズはずるくて卑怯な大人です。

 

ふらふら出たとこ勝負をしているように見えて、根本的に賭けというのができないタイプなのでは。

 

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クロウが作中、おいしそうに食事をするメンバーを見て『口が欲しい』と言っていましたが、人間になれば脳ミソと合わせて解決だった気がします。

が、そこを思いつけないのはクロウの性格かな。

しかし、ジャックに加えてクロウまで人間になったら大混乱でしょうし、何だかゲームが変わってしまいますのでそれでよかったと思います。

 

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アプリを再インストールした関係で最初からやり直したのですが、レオンが意外と常識派でした。追加エピソードでもそのようなことが言われています。

そうなんです、猪突猛進で、落ち着きのない性格で、常識が動物寄りなんですがレオンはかなりの常識派なんですよ。

 

考えてみれば、仲間の中で唯一の生身で、ひとりぼっちで生きていたことからそれなりに注意深くなくては生きて来られなかったはずです。あと、ドロシーとオズとジャックの躾がきいてる気がします。

 

仲間内で一番の成長株でした。肉体的にも精神的にも。

それだけに……個別の追加エピソードがないのが不憫ですね。

 

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ジャックがメグねえさん指導で身につけたスキルですが、あれを無自覚に発揮していると、その内ドロシーが命を狙われることになりそうだな思いました。

 

追加エピソードで、ドロシーがジャックの機能を役立てねば! という使命感にかられて仲間に自分を襲撃してみるように提案するシーンがあるのですが、そんなことをしなくてもいずれ命を狙ってくる人の1人や2人や3人くらい出てきそうです。

 

 

それは置いておくとして、ジャックの追加エピソードを踏まえると、キースの発言は本当に暴言だなあといまさらながら思いました。

ジャックの存在意義も、アッカーマン博士のテーマも、ジャックの選択も真っ向から否定してますからね……決定的に嫌われなくて良かったですね、キース。

 

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チェシャ猫(体)を王宮に連れて行くことについて考えるシーンがあったのですが、もし実現していたら……リジーが狂喜乱舞しそうだなと。

 

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雪だるまことレビ・ノーマンの素顔が気になっているのですが……もしかして醜いの反対で注目されていたのだろうかという疑惑がやまないです。

 

 

 

最後に

追加エピソード、ボリュームがかなりあって、本編や別作品とリンクしているところもあって読めてよかったなと。

クリスタルが余ってる人はぜひ追加エピソードまでプレイしてみることをおススメします。

 

あと、アップデート後に格段に使いやすくなったので、その意味でもおススメです。

 

やっぱりナイトメア・プロジェクトさんの作品は好きです。今回は対応機種外でもギリギリ! 動きましたが次は新しい機種を手に入れたいところ(本当は良くないのでしょうが、使えるのが今コレしかなくて……)。

これからも末永く、優しくて怖いお話を作り続けてもらえるといいなと思います。

 

 

 

 

 

書籍とCD予約、購入しました。その内でいいかなと思ったのですが、書籍の方は早期購入特典あり、CDはあまり数量が多くないようなので……本の方はまたその内レビューを書くと思います。

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