【書評】カリスマニュースサイト管理人が15年続けたシンプルな情報収集術
最近、こんな記事を読んでまなめはうすというニュースサイトを知りました。
興味を持ったのでまなめはうすを見始めてみると……以来、気づけばつい毎朝チェックしている自分がいる。
色々なニュースが一手にまとまっていて読みやすくて面白いんです。
こういったニュースサイトというものの管理人は一体どうやって情報収集をしているのかな、ということで発売されていたKindle本を購入しました。
※以下、ネタバレを含みます。
情報収集の手法自体はシンプル
一体どのように著者の方は情報を集めているのか、というところですが、
こんな感じだそうです。この本は2012年に書かれたものなので、今はもう少し状況が変わっているかも知れませんが、基本は変わらないのでは、と推測します。
本のタイトル通りシンプルな情報収集術です。
日々大量の情報に目を通していることが窺えます。
濾過するように何度も情報を濾していく
そうした集めた情報を取捨選択することが大事だと本の中で著者は言っていて、その方法は次の通り。
- 10users以上となった記事を抽出する
- タイトルで9割捨てる
- 本文を読んで評価する(繰り返す)
- 良いと思ったものを抽出し、自分のサイト等で紹介する
……タイトルで9割捨てたとしてもかなりの数はあるでしょうし、頭が下がります(2000個近いタイトルを見るとの記述がありましたが、今は数やブックマーク数の足切りに変動があるかも知れませんね)。
本文中、著者はノイズは許容すべきだ、ということを述べています。その中にダイヤがあるのだからと。だからこそ大量の情報を収集し、濾していくというステップを踏んでいく。
10users以上となった記事を抽出するというのは自動でできますが、後の3ステップは全て著者の人力ですし、タイトル→本文(内容)→更に選出と、それぞれ評価方法が似ているようで違います。
- タイトルに惹かれるか?
- 本文の内容は?
- サイトで紹介したいものは?
こうやってどんどん濾したものがまなめはうすに掲載されていくんだなあと思うとともに、どこまでも取捨選択に特化した、職人的な雰囲気を感じます。
目指すのは、『良い情報収集で、良い人生を』送ること
HTMLタグ打ちでホームページを作る時代からインターネットというものを見てきた著者の視点というのが面白いですし、何より理詰めなんですよね。
そして自分の役に立つだけでなく、『好き』を集めることが楽しい、という一石二鳥。
ちなみに、収集した情報はきちんと探せる状態にしておくようにということにも触れられています。ごもっともです……私もあの記事どこで見たっけ、と探し回ることがよくあります……。
2012年発売の本ですが、技術的なことを除けば古さはないし、読んで良かったです。
こういった情報収集の方法の他、キュレーションやアーリーアダプターやGoogleのことにも触れられています。
そしてあらためてまなめはうすを読みながら、キュレーションってこういうことだよなあ……とも感じました。
ただ掲載先の情報をコピペするという最近流行っていたものと違い、集めて紹介していくことで生まれる付加価値。
何よりインターネットって面白いよ、と著者が思っているのが伝わってくる本でした。
こういうのを読むと、自分も自分の『好き』とか『役に立つ』を集めたニュースサイトを作ってみたくなりますね。
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