トワイライツ・ノーツ

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仕事を選ぶ時の話

以前、仕事を決める際のみっつの軸についての話を聞く機会がありました。 その軸というのは、下記です。

  • 得意なこと
  • 好きなこと
  • ニーズがあること

これを3つの円のベン図として、領域が重なっていればいる程良いということでした(特に出典は聞かなかったのですが、たぶん『ミッション 元スターバックスCEOが教える働く理由』という本からだと思います)。

幸い、今の私はそれなりにこのみっつが重なっているので不満は特にないです。得意や好きとまでは言いませんが、人並みにはできる(と思う)、少なくともやっていて苦にはならない、ニーズがある、という方向で職業を選びました。

昔は『好きなことをするんだ!』という方向で転職活動をし、見事に就活失敗という痛い目にも遭いましたし、そういう出来事もあって今くらいの方向性に落ち着いた感じです。

という訳で、今の自分の仕事観をつらつらと書き残しておこうと思いました。

新卒の頃の自分なら、『妥協だ』と思ったかも

新卒の頃の自分が今の私の職業選択を知ったら「妥協だ!」という感想を持つかも知れないなあ……ということを思います。

というのは、新卒の頃というのは若くて、選択肢もいっぱいあって、あれもやりたい、これもやってみたい、そんな時期だからです。

更に付け加えるなら『自分に何ができるかもよくわかっていない』時期です。

逆に言えばそれは可能性を自分で狭めることのない、良い時期でもあります。

しかし、職業選択という面においては自分の能力をあの頃よりは知っている今の方が、格段に楽です。

だから、昔の私が上のみっつの軸の話を聞いたとして、あまりピンと来なかっただろうな、というのが予想がつきます。

何しろ『一生やるかも知れない仕事だから妥協したくない』という考えで凝り固まっているからです。若かった。と思います。

みっつの軸の中でいちばん大切なことは『ニーズがあること』

個人的に、『仕事』として考えるなら『ニーズ』というのはどうやっても必要な部分だと思います。何故ならニーズが無ければ、どんなに好きでも得意でもお金にならないからです……。

ニーズがないのにひたすら好きなことや得意なことだけを極めていける人は、かなり恵まれた部類かとは思うのですが、そういう特殊なケースは置いておきます。

なので、職業を選ぶ時に『この仕事はニーズが長くある仕事か』というのはとても大事なところだと思います。衰退の一途を辿る業界に入ってしまった……というのはなかなか大変な事態です。

だからといって、この移り変わりが激しい時代に『ニーズが長くあるか』を確実に見分ける方法はありません。なので、少なくとも衰退が確実な方向にさえ行かなければよしとするくらいでいいのではないでしょうか。何かがひょんな方向で大ブレイクする可能性もありますし。

ひとつ指標を示すとすれば、『誰かを幸せにしたり、誰かのためになったり役に立つこと』くらいで良いかと思うのです。

自分の『やりたい』『好きだ』を優先して転職活動をしていた頃はさっぱりダメだったのですが、『自分が嫌ではなく、誰かの役に立つこと』に方向を切り替えたら案外すんなりといったので、そういうものなのでは、と今なら思います。

『これだけは』という条件

上記でみっつの軸について長々と話してきましたが、待遇と人間関係も同じくらい大事です。

とは言っても、こればっかりは入社してみないとわからない部分も多いですし、同じ職場でも人によって合う・合わないは当然ある訳でして……。

しかも、仕事をしていて「このままでいいのだろうか」というのは誰しも思うことなんですよね。といってズルズル居続けても……という場合もあるので難しいですが。

これだけは譲れない、というマイナスの条件をリストアップするのが良いかと思います。

ちなみに私の場合は『極力残業がないこと』と『人間関係が悪くないこと』というのがそれです*1

どうしてもこれを満たすことができなければすっぱり辞める。

満たしていて、かつ強い動機がなければ続ける。

そのくらいのものをリストアップしておけば、ズルズルと辞められずに自分が壊れてしまうことを防いだり、あっちの芝生は青い現象にひっかかりにくくなるかと思います。

まとめ

という訳でここまでつらつらと書いてきましたが、そろそろいい年になってきた最近は仕事に対してそういう考え方になってきました。

自分の体験や他の人を見ていても、『何でもいい』と言う人*2や、『これがしたい』が強すぎる人というのは、就活の結果が芳しくない傾向があると思います。

逆に『これだけは譲れない』という条件をきちんと考えている人や、『とりあえず嫌いではなくできることをしよう』『ニーズのある仕事をしよう』という人は比較的スムーズな就活をしています。

この差は何なのかと考えてみたのですが、要するに『分析』『絞り込み』『選択』がうまくできているかどうか、ということではないでしょうか。

就活に限らず、何かがどうしてもうまくいかない時は、きちんとここを考えよう、という自分用メモも兼ねてこれで締めます。

ミッション 元スターバックスCEOが教える働く理由
岩田 松雄
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機会があれば読んでみようかなあと思います。

*1:理由としては、いずれも疲弊してしまうから。

*2:口ではそう言いつつも実はこだわりが強いこともあるのだが。