【書評】プロ書評家が教える 伝わる文章を書く技術
文章術系の本はたまに読むのですが、たまに自分のブログで書評を書いていることもあり、前から気になっていた本でした。
ライフハッカーで書評を書いている印南敦史という方の本です。
一日一冊読んで書評とはかなりハイペースだな……と思っていたのですが、読んでみてなるほど、と感じるところが多かったです。
以下書評です。
書評を書く時は、ターゲットのプロフィールを考える
これ、Webクリエイターの授業の時も言われたんですよね。『ペルソナを作りなさい』と。
どういうことかというと、具体的な『誰か』のプロフィールを考える訳です。例えば職業はどんなことをしていて、何が趣味で、性別は何で、休みの日は何をしていて、ライフスタイルはどんな感じで……とか。
著者は『ライフハッカーを読む人』のペルソナに沿った書評の書き方というのを考え・実践し、今に至る、ということだそうです。
本はすみからすみまで読まなくてはいけないものばかりではない
元々本を読むのが遅かったという著者ですが、一日一冊ペースの書評という都合上、効率的に読まなくてはいけない。そこで、次第に効率的に読む方法を身につけたとのことです。
その方法は、「まえがき」と「目次」に目を通すことと、斜め読み。
確かに目次で重要点がわかることは多いですし、前書きはこの本がどういったものか、というのを簡潔にまとめてくれていることが多々あります。
それに沿って読んでいくと、斜め読みでも案外重要点は拾って読めるものです。
個人的に共感した部分
デザインやアートにもいえることですが、コテコテに盛り込むのはいちばん簡単。しかし、盛り込めば盛り込むほど焦点がぼけて品もなくなるのです。
削ぎ落とせるところまで削ぎ落としたほうが、文章は美しくなります。
個人を立てた記事はまた別としても、一般的な情報メディアの記事に書き手の過度な主張は必要ないと考えるべきです。
などなど。作中で『豆腐職人のような』と言われていますがまさにそれで、ライフハッカーの書評という面では職人的な雰囲気があります。
余談とまとめ
冒頭で『たまに文章術系の本を読む』と言いましたが、確かに『文章術』という意味合いでは簡潔に必要な部分がまとまっている良い本だと思います。
それに加え、書評を書くスタンスとしてこんな感じのものがあるんだなーという点でも面白い本でした。
私は書評に関しては個人ブログということもあり、結構好きに感想を書いているのですが、以前ライターをしていた時に仕事上の文章で意識していたのは『書き手の過度の主張はしないこと』です。
何しろ無名もいいところのライターですし、そもそもコンテンツとして自分が売れるような個性がないこともわかっていたからです。要するに、XXXXXさんの文章だから読もう! というようなそういう話題性のようなものが自分にはありません。
だから、『これを読む人はどの辺に興味をもつだろう』というところの方を考えていました。
そういう面でも共感できる本でした。