【書評】沈黙のWebライティング はWebのコンテンツライティングに悩む人にイチオシの本でした
インターネットには日々大量のコンテンツが投稿されていますが、残念ながら見てもらえるのはほんのひと握りです。
「一生懸命書いた記事なのにPVが伸びない」
「長年サイトを運営してきたけれど拡散されたことはおろか、感想をもらったこともない」
「そもそも記事が読んでもらえていない気がする」
「読みにくい、見づらい文章だと言われるがどこをどう直していいのかわからない……」
「新しくサイトを立ち上げたいがアイデアが思いつかない」
仕事としてサイト運用を担当している方だけでなく、個人のブログやサイトを持っている方なら、一度はこのような悩みを抱えたことがあるのではないでしょうか?
この沈黙のWebライティングはそのような悩みをSEO(検索エンジン最適化)の観点から解決すべく、その根幹となるWebライティングの技法をわかりやすく解説している本です。
それでは以下、書評です。
今回の舞台は、客足が遠のいてしまった那須の旅館・みやび屋
前作の沈黙のWebマーケティングと同じように今回もストーリー仕立てとなっています。
今回の主人公は両親を亡くして旅館を受け継いだものの、運営がうまくいかずに悩む若女将・サツキとその弟ムツミです。
登場人物の知識が増える毎に項目も順序良くステップアップしていくため読みやすく、「これはどういうことだろう?」ということなく読み進めることができます。
SEO(検索エンジン最適化)とは、ユーザーのことを第一に考え、ユーザーに良質な情報を提供すること
作中何度も説明されるのは、主要検索エンジンのGoogleの方針についてです。
Googleが掲げる10の事実*1の最初で、Googleは次のようなことを言っています。
ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる
引用:Googleが掲げる10の事実
どういうことかというと、Googleはユーザーの役に立つように、そして使いやすいように検索エンジンのシステムを調整し続けています。それが回りまわってGoogleの利用ユーザー数が増えれば、Google自身のためにもなる、ということです。
よって、最高のSEO(検索エンジン最適化)は、ユーザーの役に立つコンテンツを作ることになります。
そうすれば自ずと検索エンジンに評価され、検索結果の上位になりやすい、ということになります。
そのことを踏まえて、
「じゃあ、ユーザーの役に立つコンテンツってどうやって作るの?」
という疑問への回答が、作中で様々なケースを通じて説明されています。
その他、競合分析の仕方、良質な記事の書き方、昨今のキュレーションメディアの問題点、オウンドメディアの立ち上げ方、そしてライターの育て方など、Webコンテンツの作り方に関する情報が盛りだくさんで、非常に充実した内容となっています。
まとめ:小手先の技術ではない、良質なコンテンツの根本的な作り方の指南書!
私自身Web制作に関わり、過去にはライターの勉強をして少し仕事をさせてもらったという経験もあって興味深く読ませていただいた本なのですが、とてもためになる本でした。
作中、文章を書く上でのちょっとした小技などは載っているのですが、結局のところ良質なコンテンツというのは小技でどうにかなるものではありません。
もちろん、文章を書く上で基本として押さえておくべきところは当然あります。
ただ、それと同じくらい大切にすべきことは他者への気遣いだと感じました。
ユーザーだけではなく、コンテンツを気持ちよく引用させてもらうためにすべきこと、またそれによって協力を得ること、相手の良いところを上手に引き出すこと……『コンテンツを作ること』を目的にしてしまうと、おろそかになりがちな部分です。
以上、Webでコンテンツを作ることに悩んでいる人にはぜひおすすめしたい本でした。
また、せっかくですので本の内容の実践としてこの書評を書かせていただきました。以前から無意識ながらやろうとしていたことがすっきりと整理・解説してあったので、かなり書きやすかったです。
少しでも参考になれば幸いです
関連リンク
前作と今作はWeb上でもかなりの部分公開してくださっているので、興味を持っていただけましたら、よろしければ併せてこちらもどうぞ。
沈黙のWebマーケティング −Webマーケッター ボーンの逆襲− ディレクターズ・エディション
- 作者: 松尾茂起,上野高史
- 出版社/メーカー: エムディエヌコーポレーション
- 発売日: 2015/01/30
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沈黙のWebライティング ?Webマーケッター ボーンの激闘?〈SEOのためのライティング教本〉
- 作者: 松尾茂起,上野高史
- 出版社/メーカー: エムディエヌコーポレーション
- 発売日: 2016/11/01
- メディア: 単行本
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*1:現在(2017.02.21の時点でページは消えてしまっている)