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アトピーの私が勧められた民間療法とか脱ステロイドのこととか


アトピー性皮膚炎は本当にツラい病気 「かゆみ」「見た目」の厳しさ - maze713's blog

こちらのエントリーを読んで、ふっと思い出したのでちょっと並べてみます。
ちなみにどれも子供時代のものですし、どれひとつとして続いていないということから、色々お察しください。

他、脱ステロイドやかゆみについても触れています。

○○酵素

当時通っていた習い事の先生からおすすめされました(本もセットでした)。
顆粒状の健康食品的な感じのもの。やっぱりこれを飲むと体質改善で直る! 的な。

味も香りも何とも不思議な感じ。ほの甘くて嫌いな味ではなかったので、三ヶ月くらいの間おやつくらいのつもりで食べていました。

別に悪くなることはなかったのですが、良くもならなかったのでいつの間にやら食べなくなりました。

謎の油

家族で行きつけていたお寿司屋さんでのこと。
結構顔を合わせる常連さんのひとりに、そこそこ年のいっているおじさんがいたのです。

当時、相当アトピーが酷かった私のことが気になったらしく、ある日魚の形の醤油差しに入った、真っ黒な油を渡されました。
何でもこれで良くなった人がいるとか。

とはいえ、せっかく厚意でもらってもさすがにこればかりは私も不気味で、自分からは塗った記憶がありません。しかし後に母に尋ねたところ、母が2~3回くらいは塗ったとのことです。

塗られたこともあり、一体あの油が何だったのか、今更ながらに気になるところではあります……。

謎の木の根の煎じ汁

これは祖母からなのですが、木の根のか何かを煎じたものを渡されました。化粧水のようにつけてみろ、とのことです。

さすがに得体の知れないものを顔につけるのは嫌だったので、肘の部分で試してみましたが……別段良くも悪くもならず。

その後も結構長い間この謎の煎じ汁は勧められましたが、のらくらと断っている内に勧められなくなりました。

無農薬野菜

一時期、母が家庭菜園をしていた頃がありました。
やはり食事が一番大事という訳で、家庭菜園で無農薬の野菜を作って食卓に出していたのです。

別段良くなったという訳ではなく、そして何より母の負担が大きかったため続きませんでした。今はスーパーの野菜とか普通に食べてます。

でも、あの頃食卓によく出ていたラディッシュが美味しかったという話をしたら、母がちょっと嬉しそうな顔をしておりました。

米食

これまた一時期、実家は玄米食でした。玄米と言っても七分づきとかその辺り。
正直、当時はあまり美味しいとは思えなかったですね。白米が一番好きです。

もっとも、大人になってから玄米も美味しいということを知りましたので、今なら特に抵抗はないと思いますが。

これもいつの間にか白米に戻りました。

ステロイド

これは勧められた……というよりは母がしたのですが。
ステロイドをしました。

人相が変わるくらい顔が腫れ上がりました。
精神的にも肉体的にもとってもしんどかったです。

やがて何とか落ち着いて、以後十数年はステロイドを使っていなかったのですが、数年前から再開したので続いていないです、脱ステ。
ちなみに再開してから、肌の調子は人生初といっていいほどの小康状態を保ってます。

番外編:宗教? 勧誘

図書館に行った時のこと。
しばらく本を眺めていると、本棚の陰になってちょっと人目につきにくい所で、おばさんに声をかけられました。

何でも私のような人がたくさん集まっているところがある、とおばさんは言います。
「可哀想ねえ、つらいでしょ?」と言いながらそのおばさんは自分の服の袖をまくり「私も昔はあなたみたいな感じでね、でも今入っている○○会に行くようになったすっかり治っちゃったのよ」と熱心に語ってくれる。

その頃にはすっかり人から色々なものを勧められるのに慣れきっていた私は、はぁ、はぁ、と適当に相づちを打っていました。
おばさんはひとしきり説明した後、よかったら来てみてね、と私に一枚の紙を渡して去っていったのでした。

もちろん行っていません。
図書館にゴミ箱が無かったので、紙は一旦家に持ち帰って母に見せた後、処分と相成りました。

民間療法は数あれど、『善意』で勧められるのは困る…

代表的なものはこんなところですが、他化粧水やら、クリームやら、温泉やら、食べ物やら、サプリやら……数え上げたらキリがないのですけど。

それに、薦めてくる人は大概善意。辛そうだから良かれと思って薦めてくれるんです。それは重々わかっているのですが……。

人より肌が敏感なので、ちょっとしたことでとんでもないことになります。勧められたものを試して、合わなかったらかぶれたりするのは私なんだけどなあ……と思ってしまうのです。

あと、謎の油やら煎じ汁をつけるのもこちらなので……善意なのがわかるだけに、断るのに苦慮してしまいます……。

という訳で、こんなもの勧められた&試してみたというエピソードでした。
思うに、アトピーって皮膚なので目立つ上、命に関わることは少ないし、難治性。
おまけに何か塗ってみたり体質改善とかもっともなことを言ったりと手を出しやすいんじゃないかなと思います。
だからアトピービジネスなんてものがはびこるのだし、民間療法が絶えないのかなあとか考えてしまう次第です。

まあ、これらのエピソードはあるあるネタ程度に受け取ってもらえればと思います。

余談:かゆみについて

リンク先で言及されてますけど、かゆいってつらいです。
どんな具合かというと……絶えず肌の下にチリチリと虫が這ってるような、そういうかゆさです。一旦かゆみが出始めたら最後、どんなに我慢しても自然に消えるということは私の場合ありません。

日常生活でアトピー以上のかゆみを感じることはありませんし、夜寝られないというのも本当です。
今はちゃんと病院に行っていることもあり、夜寝られないレベルで痒いというのはあまりないです。それだけでホントに、精神的に楽です。

外見について

何とも思っていない訳ではないです。というか、かなり気にはしてます。
酷い時は自分が一番良くわかっているので……指摘されると地味にヘコみますね。

でも結構言われることはあるんですよね。『辛そう』、『赤いよ』、『今日ちょっと酷いね』、『目立つよ』などなど……。
私もいい年なのである程度は聞き流していますけど、自分が気にしていることに対して、何度も、色々な言い方でたくさんの人から言及されるというのは、ちょっと落ち込みます。

余談:脱ステロイドについて

私はこれで酷い目に遭ったのですが、絶対やめた方がいいと思います……。
自分の顔が人相もわからない程腫れ上がって、かさぶたと浸出液でぐずぐずで……って下手なホラーより怖いですよ……あれ以来自分の顔を鏡で見るのが怖いです。

精神的なダメージも肉体的なダメージも半端ではありません。
その酷くなった状態を好転反応とか言うのもどうも……ただ単に悪化しただけです。あの時、脱ステロイドせずにきちんと管理してステロイドを使っていれば痕もあまり残らなかったのかなあ……なんて思う時もあります。

特に、医者にかかっていない状態での脱ステロイドは絶対おすすめできません。
アトピーは確かに色々しんどいので、つい民間療法に走ってしまうのはよくわかりますけど、『医療』から離れてしまうのは危険です。

それは脱ステロイドみたいな過激な民間療法で悪化させてしまう、ということもありますけどもうひとつ理由があって。
アトピーは基本的には生命に関わらない病気ですけど、喘息やアレルギー、網膜剥離やカビ、網膜剥離、カポジ水痘様発疹症諸々、重篤な障害や生命に関わる事態になることもあるからです。

民間療法・ダメ・絶対とは言いませんけど、『医療』から離れるのだけは絶対駄目です。

ちなみにステロイドを段階的に弱めていくというのはありですが、それも医者の指示の元で行うものです。……とはいっても、難しいんですけどね。大して診もせず、漫然とずっと同じ強さのステロイドを出し続ける医者もいますし……。

アトピーの治療の最難関って、(自分に合った)良い医者を見つけられるかどうかという部分だと思います。