トワイライツ・ノーツ

読書感想と自転車と雑記

本を手放すためのABC


本を手放すというのはそれはもうその苦しみを知っている人にとっては言うまでもないでしょうが、途方もなく大変なことです。
さあ整理しようと思って手に取る、どんな内容だったか確認するためにページをめくる、つい読み込んでしまって日が暮れている……これぞ本達が仕掛けた自己防衛のための巧妙な罠……! まさしく地雷原と言えましょう。
今現在も世界のどこかで、見事にこの地雷原に散っていっている猛者達のことを思うと、涙を禁じえません。


本を手放す動機

本は増殖するものです。しかしながら、スペースは有限であり、読んだり整理するための時間も同様に有限。
そして人間は移ろいやすいもの……性格も体型も服装や異性の好みも本の趣味でさえ、ずっと同じではありません。
必然的に、より広いスペースや現在の自分に合った本に置き換えるため、古い本を手放そう、と考えるのが大抵の動機であります。


何故、中身を見てしまうのか

捨てる前に中身の確認をしよう――と思ったつもりが、敢えなく地雷原に散る――という話があちこちにあるのに、何故『つい』中身を見てしまうのか。
それは、その本について一定以上の感情移入をしているからです。
主な理由は『もったいない』という貧乏性故です。そこにそうやって本を腐していることがもったいないというつっこみを入れてくれる人がいないと『うっかり』読み込んでしまう訳ですね。
一人で本の整理に取り掛かろうとしている人は、注意すべきです。
なるべく本に思い入れのない人を助っ人に呼びましょう。本の整理という観点においては、そういう人程有能な仕分け人です。


昔面白いと思った本は、今読んでもやっぱり面白いことが多い

『うっかり』中身を読み始めてしまったら、あなたはもう本達の罠に片足をどっぷり取られている状態です。危険信号です。ここで戻れる人は強靭な意志を持っているに違いない。
基本的に買ってきた本は自分の好きな傾向のものなので、一旦読み始めてしまうとやっぱり『面白い』と思ってしまうのです。そうなってしまうと手放そうと思っていた気持ちがしぼみます。戦意は喪失。
この時点で大抵の人は白旗を揚げるしかありません。全面降伏です。


ステマティックな本の整理のためのGTD*1

という訳で、なるべく感情を交えずに本を整理するために、個人的なGTDを作成して使用しております。
それが上の図であります。3ヶ月とか半年とかすら覚えていないのであれば、その程度の本だと思って手放してしまうのが吉です。
私は本を仕分けるための機械……! と念じながらこの流れに沿って本を判断していくと、恐らくほとんどの本が不要本もしくは電子書籍化に仕分けられています。
これだけ自主的に仕分けを円滑に進めれば、きっと仕分け人も許してくださるでしょう。「その本を本棚に残す理由は何があるんでしょうか? 捨てるんじゃダメなんでしょうか?」なんて言われないような美しく無駄のない本棚、あるいはきちんと理由を説明して納得していただけるラインナップの本棚にしたいものです。


本は下手に高値で売ろうとするのはやめましょう

大量に手放す本が出た場合、少しでも元を取ろうとしてオークションや専門の古書店に持ち込もうと思う方もいるでしょうが、まずその労力がもったいないのでやめておいた方が無難です。
その手間がかさめばかさむ程、手放そうとするモチベーションが下がります。
家のスペースと売るのにかかる手間を買ったと思って、ブック●フなどに持ち込んでしまった方が楽です。
『本を手放す』という最終目的を達成する間に、なるべく余分な手間は挟まず、黙々と作戦を遂行しましょう。


電子書籍化について

いわゆる家で本を裁断してスキャン、データ化する“自炊”と呼ばれる方法。
電子書籍』として売られている商品を買う方法。
などありますが、“自炊”に関しては代行してやってくれる業者もあるようなので、面倒な方はそちらに一括して依頼した方が良いです。
自分で手間をかけるのも、業者にお金を払うのも嫌? そして本棚にスペースもない?それ、本当は必要ない本だと思いますよ……。


コレクター魂を満たすために

本好きの方によくある性質なのですが、『本棚にたくさん並んだ本を見てると幸せ』『この本を“読んだこと”を忘れたくない』というものがあります。
そういう人にとって、本は『そこにある』ということが重要なのです。だから、手放すのがものすごく躊躇われる。
そこでおすすめしたいのがこちらのサイト

http://book.akahoshitakuya.com/

http://mediamarker.net/

これらのサイトは、読んだ本などをひたすら記録していったり、感想をつけたりできるサイトです。
本を見ていると色々思い出すとか、満足感を感じるとかいう方は、こちらのサイトに読んだ本を記録していくと、手放す時の抵抗感がぐっと減るかと思います。
何しろパソコンをつけると自分の読書記録が見られる訳ですから……しかも表紙画像つきで。他の人のコメントや自分のコメントを読むと、内容の想起もできますし。
大丈夫、読んだ本は、これで忘れませんよ。



という訳で、本を手放すためのABCでした。
本の手放し方って、意外とどの本を見ても、サイトを見ても、「本当にいるかどうか考えてみてください」程度の曖昧なことしか書いていなくて、「え、それがわからないから困ってるのでは?」とか思ってたんですよね……。
本だとか増え続ける宿命の物については、もうちょっとシステマティックに感情を交えず、無駄の無い手法が考えられてもいいと思うのです……。


今回は自分なりの方法でしたが、もっといい方法あったら教えて頂けると幸いです。

*1:GTDって何かの商標になってないかなとか意味として間違っていないかなと思いつつ書いてます。もし駄目なようであれば教えて頂けると有難いです。