セミナーや勉強会の目的は、その場で情報を得ることより9割人脈作りと思った方が良い
ここ数年、セミナーや勉強会、或いは講演会など、とても活発になってきてますよね。
会場の借りやすさやネット環境が整ってきたことにより、個人でそういったことを企画する敷居は随分と下がったように思います。
ご多聞に漏れず私もそういったものを何度か聴講させていただく機会があったのですが、実を言うと落胆ばかりしていました。
というのも、私は『情報』の方が気になる質でして、新しい知識が得られるのではないかと思って行く訳です。
しかしフタを開けてみれば、ぐだぐだな進行(設備不良も含め)、既知の情報ばかりでほとんど目新しいことはない、或いは講演者の発言をインターネットで追っていたり著書を読んでいれば既知のことばかり(講演に行く前は結構見てます)……といった塩梅のことも多く、そういうセミナーに当たってしまうと正直「ハズレだった……」と落胆してしまうのです。
が、そんなことを何度か繰り返している内にそもそもセミナー等を開く目的が『人脈作り>>>情報共有』であることが多いのだろうということに気がつきました。
という訳で、今回はそういうお話です。
目次
自分で発信していくと、欲しい情報や人脈が集まりやすいという法則
たとえば、ものすごく興味を持っている分野があるとして、その最新情報をキャッチしたい! と思ったらどうするのが良いか。
本を読む。インターネットで調べる。人に聞く。学校に行くなど取れる手段はいくつかあると思います。
また、その道の有名人のSNSアカウントやブログをチェックするというのも役立ちます。
が、実は一番自分に合う、鮮度のいい情報が入ってくる方法は、自分で発信してみることです。
有名人や情報を調べながら、どんなに拙くてもいいので自分なりに調べたことをまとめて発信する。
マメに感想をしたためたりコメントしてみる。
そうすると、何らかの反応がもらえることがあります。
そしたら、反応をくれた人のアカウントを見に行って、ブックマークや呟いていることをたどってみるのです。
すると自分の欲しい情報が見つかったりしますし、その道で誰が有名かも当たりがついたりします。そうやってたどっていく中で自然と多く目にする名前があると思いますが、間違いなくその道では有名な人です。そういう人を見つけたらフォローすると良いでしょう。
六次の隔たり*1、という話を聞いたことがある人も多いかも知れませんが、そのずっと精度の高いことが、情報において起こせるのです。
人脈があると、自然と情報やチャンスが集まってくる
上記のことから、間違いなくこう言えます。
また、自分に現在手持ちの情報がなくても、人脈から情報を引っ張って来られる可能性が高くなる訳です。
自分が知らなくても、誰か知り合いが知ってる。或いはヒントをくれる。チャンスがもらえる可能性が増える。
上記のことを踏まえると、セミナーや勉強会、講演会を開く目的というのは……やはり人脈作りの比重が高くなってしまうのは当たり前のことです。
自分の話を『聞きに来ている=興味がある』ということですから、適当に集めるよりずっと繋がりは得やすいはずです。
そういう訳で、『勉強会だ! 新しい知識を入手できる!』と張り切って行くと私みたいに落胆しかねませんから、ご注意ください。
特にタイムテーブルに『懇親会』とある場合は、発表よりそちらの方がメインだと思った方が良いでしょう。
ただし、デメリットもある
セミナーや勉強会の主な目的は人脈作りと述べましたが、変なところに行くと変な人と繋がりを作ってしまうこともあります。
残念ながら人脈は良いものとは限らないのです……。
マルチなどの勧誘会というケースも多々ありますから、参加する集まりは慎重に見極めるべきです。
迂闊に参加すると、『カモ』リストに入れられる、なんてこともあると思います。
どうやって変な集まりでないか判断するか
会費が高ければ信用できるという訳でも、逆に安いから信用がないという訳でもありません。
同様に、ビッグネームだからといって良いセミナーとも限りませんし、無名だからといって駄目とも限りません。
重要なのは、集まりを主催する人やその周囲の人の日頃の発言と、過去に開かれた主催者のセミナーの評判です。
ブログ等で妙な情報商材を売っているようなことはないでしょうか?
SNSで反社会的な発言をしていないでしょうか?
最低限、人を人と尊重しているやり取りをしているでしょうか?
過去炎上させていないでしょうか?
著作やインターネットで書いている記事、インタビューをされているのならそれらにも目を通してみましたか?
色々な面からという意味では、某ちゃんねるの評判を見てみるのもいいでしょう。
また、セミナーのタイムテーブルやその他登壇者の情報も一通りはさらった方が良いです。
その他にも、その人が所属しているグループや会社の人の発言を追ってみたり、その人の名前で検索をかけてみたり……そういった情報を集めて、違和感を感じるようなら行くのをやめた方がいいかも知れません。
どうやって人脈に繋げるか
その後人脈に繋げている人には概ね以下の傾向があるようです。
- 興味を持つ
- マメにレスポンスする
- 覚えてもらうようにひと工夫する
- 自分がやりたいこと、やれることを明確に伝えておく
名刺交換だけで終わらず、ちょっと「おっ」と思われる質問をしたり、SNS上でマメにコメントしたり、次回のイベントを積極的に手伝ったり、ちょっと面白い話で印象に残ったり……ということを上手にやっている人は繋がりを持ちやすいようです。
また、なにか特技があってそれを印象付けておけると『そういえばあの人あれできたな』という感じで仕事に繋がったりもするとか。
私自身は懇親会はそそくさと帰ってしまう方なのですが……人脈を作りたい人は、名刺交換で満足せずにそこで頑張ると良いと思います。
また、そもそも論なのですが発表内容についていける程度の知識があることは最低限の必須条件です。
そこがわからないと懇親会で話題のとっかかりが見つけられないし、スキルのある人は敏感に見抜いてきます。
まとめ
という訳で、セミナーや勉強会について述べてみました。
もちろん、人脈より情報! という集まりもあるのですが、実際問題、参加してみると思っていたのと違うということは多々あるもので……。
個人的にはWebやプログラミング業界のセミナーは情報重視で発表も充実、知らないことがいくつもあった、ということも結構あるのですが、ふわっとしたタイトルのセミナーは内容もふわっとしてることが多いです……。
そのあたりの見極めもしつつ、セミナーで何を得たいかは明確にしていかないと、なんとなく終わってしまいます(実体験)。
余談:私は懇親会にはあまり参加しないスタンスです
ここまで書いてきたことをひっくり返すようですが……。
私は懇親会は滅多に参加せず発表だけ見て帰ってしまうことも多いため、人脈については機会を逃しているはずです。
しかし情報を得たくて行っているので、それで良いと思っています。
キーワードと重要人物さえ仕入れられれば、独学で調べがつくことも結構多いというのも理由です。
あと、自分で試してみないと何事も腑に落ちないタイプなので、聴講してすぐ懇親会で質問するだけでは理解がふわっとしてしまうのです……。
どうしてもその場で気になることは、発表時の質問タイムで消化するようにしていますし、更に重ねて懇親会で聞くこと……ないかなあ……というスタンスです。
ものすごく発表内容が腹落ちしたとかであれば感想を伝えに行くかも知れないのですが、そこまで衝動に突き動かされるタイプでもなく。
あと最近話題になっている、交換した名刺をブログに掲載とかそういうリスクを考えると、やたらに連絡先をバラ撒くのもなあと思っていることもあります。
散々人脈、と書いてきましたがこういう参加スタイルの人間もいます。
エントリーと関連する本など
このエントリーを書くきっかけですが、読んでいた残酷すぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学する『第四章 なぜ「ネットワーキング」はうまくいかないのか』で『人脈』というものについて非常に納得がいったことです。
本の中に、こんな文章があります。
受け取るより与える方が良いです。ほかの人に何かしてあげられる機会を探すのです。たとえば、知識を提供したり、もしくは、相手はまだ知らないかもしれないけど、関心がありそうな人に引き合わせてあげたりするのです。大事なのは、ネットワーキングが取引にならないこと。見返りを求めて、何かを提供するとうまくいきません。それより、あなたと相手の共通点に、純粋に興味を示してみてください。
引用:残酷すぎる成功法則 シリコンバレー最高のネットワーカーに直接、秘訣を聞いてみた!
まさに情報収集の方法とぴったりだし、薄々感じていたセミナーの類の目的はこういうことなんだなあと。
と考えると懇親会に参加しない私はセミナーの主催者の方に特に与えていない、というような気もしますが、知人がセミナーを探していれば過去良かったセミナーとか知識の豊富な人は積極的に教えていますし、地味に広報活動はしている……のかな。
とても俗っぽいタイトルの本ですが、善人は本当に損をするのかといったトピックを取り上げていたりで内容が非常に面白いので、いずれ書評を書いてみたいと思っています。
- 作者: エリック・バーカー,橘玲,竹中てる実
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*1:知り合いの知り合いの知り合い…を6度以上たどると全世界の人と繋がりが持てるという理論