【書評】シャーリー1~2巻、ラーメン大好き小泉さん1巻、寄生獣 完全版全1~8
シャーリーは10年ぶりの新刊、寄生獣はアニメが始まりましたよね。
寄生獣は確か20年くらい前になるのではないでしょうか。そういう意味でもこの2冊に関してはちょっとしたニュースでもあります。
シャーリーに関してはエマとか乙嫁語りを読んでいまして、同じ作者さん繋がりです。Kindleセール中に購入。
寄生獣は昔読んだことがあって好きな作品だったので、アニメを期に再読。
ラーメン大好き小泉さんは……何かシュールなタイトルに惹かれてセール中にKindle版をポチりました。
Kindleセールってなんて素敵なんでしょうか。
という訳で、以下書評です。
※ネタバレを含みます。
シャーリー
概要としては、エドワード朝・イギリスのメイドの少女と女主人の日常の物語です。
本当に、それだけといってしまえばそれだけの物語なのですが、何度も読み返したくなる作品。
シャーリーはよくできたメイドですがまだ13歳と若く、作中で語られないまでも少々複雑な過去を抱えていそうで、そういうアンバランスさを秘めています。
一方の女主人、ベネット・クランリーは28歳で(当時としては)嫁き遅れてはいても、美人で評判、経営しているカフェもそこそこ順調のようです。シャーリーとは対照的に、ある程度は人格的に完成された人とも言えます。
この作者さんの作品は時代考証が細かく、また書き込みが非常に細かいことが挙げられますが、シャーリー一巻の方ではまだやや粗い感じです。
『間』を描くのがうまいと思う
この作者の作品を幾つか読んでいて思うのですが、『間』を描くのがすごくうまいです。
電車などに乗っていて、はっと惹きつけられるあの感じ。
それに、途中セリフのないコマがいくつも続いているのに、「これ、どういうこと?」と考える部分がない。
何だか無声映画を観ているような――そんな気持ちになることがあります。
例えば、2巻の最後方で、元婚約者の男性を振ったベネットが暖炉の前で考え込む姿をシャーリーが目撃する、というシーンがあるのですよね。静かで、でも確かに伝わるものがあります。
たとえばこんな作品も
こちらは短編集なのですが、人妻が畳の上で昔の水着を着る、というのと、女子高生が上半身裸の姿をデッサンされるシーンがあるのです。
それがすごく印象に残っていて、綺麗。
この作者の描く女性って割合に肉感的でつい見とれてしまいます。
エマもおススメ
こちらはヴィクトリア朝イギリスのお話ですが、同じ作者のメイド物としてエマという作品があります。
本当に古き良き時代のイギリス、という感じで見ているとため息が出てきます。
はっと惹きつけられるものがあって、印象に残るシーンがいくつもあるのですが、この作者の作品ってそういう『セリフがなくても印象に残るシーン』がすごく多いのです。
ラーメン大好き小泉さん
ラーメンが大好きな小泉さんという美少女高校生がラーメンを食べまくる、という物語。単純明快!
小泉さんいわく「つるんで食べるものないですから」とのこと。その言葉からうかがい知れる性格通り、かなりストイックにラーメンを楽しんでいる小泉さんの漫画です。
ラーメンを食べる姿も美味しそうだけど、薀蓄も楽しめる
天下一品の喜連瓜破店(きれうりわり)にはハンバーガーがあるだとか、ハワイのマクドナルドにはラーメンがあるだとか、変わったラーメンの情報だとか……とりあえず食べてみたくなるものが多かったです。
ラーメンと言えば普段は担々麺ばかりなのですが、色々試してみたいなあと思いました。やっぱり美味しいですよね、ラーメン。
途中の袋ラーメンアレンジもちょっと試してみたい。
寄生獣
冒頭でも言った通り、最近アニメ化されましたよね。眼鏡シンイチも、ありと言えばあり……ですけどちょっと展開早い気もします。
アニメ化されたミギーは何かモチモチしてる。
さて、原作の方の話に移りますが、簡単に言えば、人食いの寄生生物と人間の話です。
人間は人間ために寄生生物を駆除しようとしますが、寄生生物は地球のみんなのために人間を駆除しようとしています。
どちらが正しいかは……正直、人間の方に分がありませんよね。
その中で、人間のシンイチに寄生しようとした生物は失敗してしまい、イレギュラーな形でシンイチと共生することになります。
そのシンイチと寄生生物・ミギーを軸にした話です。
点と点でしか理解し合えなくても…
原作を改めて読んでみて、やっぱり最後のミギーが
心に余裕(ヒマ)がある生物
なんとすばらしい!!
出典:寄生獣完全版8巻
と人間を語るシーンが一番好きです。どことなくユーモラスでもあります。
作中、怒っているのか、と問うシンイチに『自分はそんなにヒマではない』とミギーが答える場面があるのですが、最終回の長期に眠るという流れは、ミギーなりに『ヒマ』を得ようとした結果と『人間としてのシンイチ』を思いやっての行動という気がしています。
昔読んだ時は、何でミギーは眠っちゃうんだ! と残念に思う気持ちが強かったのですが、ちょっと視点を変えるとミギーはミギーなりに前に進むためにそうすることにしたのだなあ……と思える最後でした。
最近Kindle本が少しずつ増えてきました
何と言っても時々セールをやっていてすごく安い時がある、というのが魅力的ですし、かさばらないのが良いです。
外出先に出るのもiPod touchさえ持って行けばいいので身軽です。
画面は多少小さいですが、漫画でも読むのに不自由はしませんし、拡大してもかなり綺麗。
家に居る時ならポチっと本を買えるのも楽ちんで良いですね。
余談:iPod touch
今使っているのは第3世代。
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Kindle本を読む程度なら大丈夫ですけど、そろそろ色々な面で性能不足や対応外が増えてきました。
おまけにホームボタンがきかなくなるという結構きつい状態です。
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ぼちぼちこの辺りに買い替えたいところですが、第6世代への期待と何より今は資金面で厳しいので、もうしばらくはがんばります。
なぜiPod touchにこだわるのか
理由としては、一度タブレットを貸してもらっていた時期があったのですが、自分には合わなかったから。
大きくてかさばるんですよね。
iPod touchだとWi-Fiさえあればスマホ代わりに使えますし、携帯よりは課金をある程度制限できるし、何より片手で操作できるのが大きいです。
大概片手でiPod touchを保持したまま親指でページをめくって読んでいるのですが、楽なんですよね。ものぐさで超高性能スペックを求めていないため、私にはiPod touchくらいでぴったりなのです。