【書評】ハクメイとミコチ3巻、ダンジョン飯1巻、くーねるまるた5巻
今回はこの3冊。いずれもご飯が美味しそうという共通点があるので、食いしん坊の方はぜひ。
ハクメイとミコチ 3巻
今回は、続き物の話が収録されています。
あらすじ
『なんでもあり』がモットーの『蜂蜜館』。それは今は亡き富豪ウカイが、毎日を楽しく暮らしたいという想いで作り上げた場所。その住人は、その日暮らしの芸術家から逃げてきた詐欺師までという、まさになんでもあり。
そんな蜂蜜館で、歌姫のコンジュはコンサートを開こうとしているのだが、蜂蜜館の古参の連中に邪魔される日々。
これまでも古参とコンジュを始めとした新参の小競り合いはずっと続いていて、いよいよ大事に。
そしてその争いを収めるため、二代目蜂蜜館館主が、ハクメイとミコチに『ウカイの魔法の酒』の復刻を依頼する――
感想
『ウカイの魔法の蜂蜜ジュレップ』の種明かしや、古参の本当の目的など、動きが色々あって面白い回でした。これ以上はネタバレになりますが、思い出の味、というのはえてしてそういうものかも知れない、と。
この他、小人という設定なので色々な部分の描写の細かさや、なるほど、それを食べるのにはそうするか、というものがあったり。
イワシと町歩きをする回など、今回も美味しそうで、小人の生活、いいなあと思えるものでした。
ダンジョン飯 1巻
Twitterかどこかで見かけて面白そうだったので購入。当たりでした。
あらすじ
空腹で調子が出ない中ドラゴンと交戦するライオス一行。あわや全滅寸前のその時、ライオスの妹がテレポート魔法を唱え、パーティーをダンジョンの外に逃がす。しかし、ドラゴンに食べられつつあった妹は呪文の対象外となってしまったらしく、その姿がない。
ダンジョンの最下層に取り残されてしまった妹を助けなくては!
しかしパーティーメンバーの離脱、資金の不足など、問題は山積み。一刻も早く助けに戻らないと、蘇生呪文さえ効かなくなる可能性が。しかし資金の問題と空腹はどうにもならない。
そこでライオスが思いついたのは……このままダンジョンに戻り、モンスターを食べながら最深部に戻ることだった。
感想
面白いです。私は生物学は詳しくないのですが、モンスターの生態や内部構造を考え、適切な調理法を施し……というのが斬新。ゲームの類は結構していたのですが、そもそもモンスターをそういう対象として考えたことがなかったのです。でも実際色々なモンスターを調理していく様子が描かれていくのを見ると、これはこれで、アリ、と思えてくるのが不思議。
しかも可能な限り美味しく調理しようとしていたり、栄養価が出ていたりと描写が細かい。
早くも2巻が楽しみです。
くーねるまるた5集
小学館 (2014-10-30)
今回は、マルタさんのお姉さんが訪ねてくる回です。
ところが、再開して早々、下着姿で泥酔する神永さんの姿を目撃したお姉さんから『ポルトガルに帰ってきなさい』と言われてしまいます。
でも、もっと日本にいたいマルタさん。
そこで、下宿のみんなと一緒にお姉さんの好物を作って自分の気持ちを伝えることにしたのでした。
……というお話から始まる今回の巻。
その他、ほうじ茶のスモークエッグ、手作りコンビーフ、枝豆とビール、セロリの入った鍋他、懐かしくもどことなく異国っぽさを感じさせる料理が出てきます。
マルタさんのお姉さんが『あなたらしい贅沢な時間を過ごしている』と言っているのですが、本当にその通りだと思う訳でして。
相変わらず、羨ましくなるお話でした。